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2008年 01月 28日 ( 1 )

暖かな家 その2

それでは木造住宅建築を考えた場合、外張り断熱(外断熱)と充填断熱(内断熱)のどちらが優れていると言えるのだろうか?答えを先に言えば、どちらとも言えないとなる。RC造の場合は躯体が蓄熱性を持つため外断熱の方が安定し、また鉄骨造の場合は鉄骨そのものが熱橋になってしまうためやはり外張り断熱が基本となる。その一方で木造の場合は木材がある程度の断熱性を持ち、且つ蓄熱しないので外張り断熱の方が有利とも言えないのだ。

しかし断熱という行為は対象をすっぽりと連続して包み込むことで完全な働きをするものであり、充填断熱のように柱で断熱層が分断されてしまうことは本来の考え方からすればイレギュラーなことだ。イレギュラーであるゆえ、断熱性は外張り断熱よりも劣る。また木造住宅の木部面積は外周全体の20%程度もあり、このため断熱の厚みもより大きくする必要性が出てくる。さらに気密層寸断の問題があり、コンセントやダウンライト周りの気密処理も煩雑となる。

ただこうした断熱や気密処理の問題はあくまでも施工業者側から見たものであり、現場の高い技術力があればクリアされ得るし、施主側からすれば断熱が内であろうと外であろうときちんと施工され、結果的に性能が出ていればどちらでもいい。とは言え、やはり工程はできるだけシンプルである方がいいと私は思う。外張り断熱は押出法ポリスチレンフォームや硬質ウレタンフォーム、フェノールフォームなど透湿性能の高いプラスチック系断熱材を文字通りに外張りするため、断熱材の中を水蒸気(湿気)が透過するのはごくわずかで内部結露の危険性が極めて低いからだ。

話は前後するが木造住宅の大敵は湿気であり、その最重要課題が防湿にあると言っても過言ではない。軽井沢という湿気の多い土地柄ではなおさらである。本来木という素材は乾燥させれば硬く頑強な上に調湿能力も併せ持ち、建築素材としてはRCや鉄と比べても非常に優れている。これは法隆寺などの建築物によっても実証されており、きちんとその能力を発揮できる環境にあれば1000年物なのである。

が、それには建てられた時点と同じ状態が維持される必要がある。昔の日本における建築には断熱という概念がなく、壁も床下も天井も徹底的に開放して風通しをよくすることによって湿気を家内にこもらせないようにしてきた。しかしこれでは冬に暖かな家は造れない。そこで断熱を取り入れることになってきたのだが、当然のことながら断熱すればするほど風通しは悪くなり、家は結露しやすくなっていく。

この項さらにつづく。
by cyril-aw11 | 2008-01-28 13:38 | 家造り全般