悲しい雨

一昨日のこと。雨の中、家路を急いでいると、ふといつも曲がる路地角の様子が何となくおかしいことに気がついた。何とも言えないイヤな予感。覗いてみると、そこには小さな小さな子猫が横たわっていた。カラスにでもつつかれたのか周囲には毛が散乱し、腐敗が進んで異臭を放っていた。埋葬のために抱えあげると首の骨が折れている。交通事故死だろう。

明らかに先月ブログで紹介した「サムライの品格を持つお母さん猫」の子どもだ。実はあの時お母さん猫に守られていたのは2匹の子猫だったが、その後しばらくして1匹しか一緒にいるところを見なくなり、そして残った1匹もこうして逝ってしまった。お母さん猫の無念はいかばかりか。きっとこのような形で何度もわが子を失ってしまっていることだろう。

ある夜、このお母さんと子供の姿を見かけた時は、私ども人間が近くにいる間はわが子を陰に隠してじっとしており、通り過ぎると周りを見渡しながら子供を促し、足早に道路を横断していた。そうしてわが子を守る姿に胸を打たれたのだが、もはや現代の交通事情や周辺環境の悪化の中ではお母さん猫の力だけでは子猫を守りきれないのだ。

狭い道路でもお構いなしに猛スピードで駆け抜ける車。小さな命を跳ね飛ばしても、そのまま立ち去ってしまう車。そこには自分以外の他者への配慮や想像力が大きく欠如している。ノラ猫が幸せに暮らせる街は人も幸せに暮らせるよい街だと言った先人がいたが、そんなよい街の存在はもはや夢物語なのだろうか。
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by cyril-aw11 | 2008-05-30 13:08 |
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