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危機一髪の女王陛下

f0158627_196682.jpgいつもコミカルに語られている我が家の女王陛下(ゆず)と下僕(キジ)だが、今日の話題はシリアス。猫を飼っていらっしゃる方は思い当たる節があるかもしれないが、意外に異常嗜好の傾向がある猫は多い。異常嗜好といっても駅のエスカレーターに乗っている時に手鏡を取り出すとか、ハイヒールやラバーに異常に興奮するとかいう類のものではない(当たり前だ)。

よくあるのがビニールフェチ。特に音がカサカサするスーパーのレジ袋や、クリーニング屋さんから返ってきたコートやジャケットなどにかかっているビニールのカバーなどを、食感を楽しむようにカシュカシュ噛んで飲み込んでしまうパターンだ。


そしてご多分に漏れず、うちの女王陛下は大のビニール好き。私が帰ってきてレジ袋を床に置いた瞬間からカシュカシュやり始める。もちろん見かければ怒鳴りつけてやめさせるのだが、やはり悪事は人に隠れてコソコソやるのが蜜の味のようで、人が目を離した隙にあれこれ齧っているらしい。知らぬ間に家中のいろんなビニールが陛下の歯型だらけになっている。そしてもちろんそんな物が消化できるわけがないのだから、時々吐く。そして異物を出したらスッキリして、平然と今度はご飯を平らげるというのが今までのパターンだった。しかし認識が甘すぎた。

昨夜帰宅すると、リビングや台所などいろんなところに吐いた形跡があった。全部で十箇所はあったろうか。何箇所かの吐瀉物にはビニールや毛玉が見られたが、残りは吐くものがなくなったのか胃液、それも血がうっすら混じったピンク色のものだけだった。さらに今までとは違って食欲がないようで、夕飯にもまったく手をつけない。夜半になっても水を少し飲んでは吐いていた。ぐったりした様子はなく、歩いたりキジとじゃれ合ったりはするのだが何となく元気がないし、人に触れられるのを嫌がる。本当に具合の悪い動物は動かずに体を休めるのが本能だから、その点からすると最悪の事態ではないとは判断できた。

今朝改めて様子を見るともう吐いてはいないし、少し元気になった感じはした。しかしやはりご飯を食べようとしない。キジのご飯を横取りすることはあっても、食べないなどということは一度もなかったのでこれは異常だ。ただ排便はしたので腸は動いている。腸閉塞のようにどこかで詰まっているということはなさそうだが、胃は相当に荒れているだろうし、念のためレントゲンも撮って確認したかったので病院に連れて行くことにした。ただビニールはレントゲンに映らないから、最悪の場合は負担のかかるバリウムを飲ませなければならない。それだけが気がかりではあった。

しかもかかりつけの病院は休診日である。そこで近所のもう一軒のドクターに見てもらったのだが、これが不幸中の幸いで非常にいいドクターだった。親切で、一手順ごとにインフォームドコンセントがしっかりしている。そして猫に負担をかけるような無駄な検査を避け、入手した最低限必要な資料から判断して最適な治療を行おうという姿勢がはっきりしている。そして何より、私に応対している時とは打って変わって、ゆずに話しかける時には目尻を下げ裏声で、心底動物が好きで堪らない人種のオーラをバンバン出しながら治療するのだ。私はこの手の人種を無条件に信頼する。よって、この瞬間にうちのホームドクターに勝手に任命させてもらった。しかし陛下の名における私からの任命だから、ドクターにとってもさぞ光栄なことだろう。

f0158627_19194411.jpgいいドクターにめぐり合え、適切なレントゲン・点滴・投薬によって陛下も今は元気に飛び跳ねている。バリウムも飲まずに済んだ。ヤレヤレだが、しかし今回の件は私にとっていい薬になった。

ずっと一緒に暮らしてきたキジがあまりにも手のかからないいい子過ぎたので、本来猫というのは手のかかる動物なのだということを私がすっかり忘れていた。高をくくり過ぎていたのだ。そして異常嗜好のサインをゆずから受け取っていながら、根本的な対応策を講じなかったこと。これにはまったく弁解の余地もない。愛玩動物飼養管理士の資格剥奪ものである。そんなわけでさっそく家中のビニールを片付け、台所に置くダストボックスを注文した次第である。
by cyril-aw11 | 2007-12-05 19:29 |
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