しなの鉄道、軽井沢の用地売却「白紙」に

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今朝の「信毎web」から。以下、転載。

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 県出資の第三セクターしなの鉄道は25日の取締役会で、北佐久郡軽井沢町の軽井沢駅東側に所有する旧JR信越線鉄道敷約1万7000平方メートルの売却計画を白紙に戻すと決めた。交渉先の不動産会社アーバンコーポレイション(広島市)=民事再生手続き中=の子会社が仮契約解除を申し入れていた。

 しなの鉄道は3月末で約5億9000万円の累積赤字を一気に解消できるとし、早期売却を望んでいた。本年度は経営再建を目指す5年間の第1次中期経営計画の最終年度で、計画が掲げる累積赤字解消の目標達成は困難になった。

 古坂和俊代表取締役専務は記者会見で「残念だが(交渉先が経営破たんする)こういう状況下では致し方ない」と述べた。旧鉄道敷売却の方針自体は変えず、新たな売却先を探すが、景気後退で地価も下落傾向のため、売却時期は慎重に見極める方針。

 旧鉄道敷売却は2005年、別の外資系開発会社と仮契約。昨年、アーバンの子会社に仮契約の地位が譲渡され、さらに別の子会社アーバン・グローバルインベストメント(東京)に移った。アーバン側は複合商業施設建設を計画していた。

 8月に民事再生手続きを申請したアーバンコーポレイションは「国内不動産業も米国発の金融危機の影響を受け、テナントの出店意欲も低下している。テナント料を当初想定より下げざるを得ず事業として成立しない」と説明。仮契約は年内に解除の見通しだ。

 取締役会で報告された08年9月期中間業績は、昨年6月の運賃値上げ効果もあり、経常利益が前年同期比10・3%増の2億400万円。本年度通期(08年4月-09年3月)の当初業績予想には旧鉄道敷の売却益は見込んでおらず、当期純利益5300万円などの予想は修正しない。

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この夏から本格的に深刻化した米国発のサブプライムローン問題は、もはや金融危機に止まらず世界恐慌の様相を呈してきている。ただ見方を変えれば、実態のないバブル経済は早めに弾けさせて健全化を図った方がいいとも言え、そういった意味ではこの軽井沢駅用地買収白紙化も数少ない金融危機の「功」の部分と捉えるべきかも知れない。何しろ「日本有数のリゾート地・軽井沢の玄関口にとても相応しいとは思えない」と町議会に全会一致で反対決議をされる体たらくの駅ビル計画だったわけで、ゆっくりと「相応しい」計画を立てるだけの時間を与えられたと前向きに考えたい。

そもそも「しなの鉄道」という3セク自体が公益に軸足を置いており、単体で純粋な利益追求が難しいのは衆目一致のところであるわけだし、仮に用地売却によって一時的に累積債務を解消したところで根本的な問題が解決するわけではない。強心剤が切れれば、また心臓の動きは緩慢になる。つまり、用地売却は何も生まないわけだ。

ただアーバンがコケたことで一時的に計画はストップしたが、またいつ第2のアーバンが現れないとも限らず、もっと強引且つ醜悪な計画が浮上する可能性だってある。町議会はそれを阻止すべく、町による用地買い上げ(=町有地化)を提案しているが、例によって町長は中軽井沢駅と追分宿のハコ物建設推進を第一とするため、当面は様子見を公言している。やはり国を変えるのも町を変えるのも、方法は高い民度による審判(=選挙)しかないようだ。
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by cyril-aw11 | 2008-11-26 23:27 | 軽井沢
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