「クマは警告する」より その2

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前回の続き
の前に、今朝の「信毎web」より転載(写真も)。

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深夜の民家に熊 小谷・大網で柿の木の上に

 柿を食べようと、人けのない深夜に民家の庭の木に登り、目を光らせる1頭の熊。北安曇郡小谷村の大網(おあみ)集落で16日未明、本紙写真記者が設置した無人カメラがツキノワグマの様子をとらえた。

 旧千国街道(塩の道)沿いにある武田真治さん(73)宅に14日、動物の体温に反応してシャッターが切れる赤外線センサー付き無人カメラを設置。同日から16日にかけて3回作動し、計10コマに熊が写った。木の周辺には食べ残した柿の実が転がっていた。近くに住む元猟師の仁科尚一さん(73)によると同じ熊らしく、体長は1・2-1・3メートル。3、4歳の雄とみられる。

 大網では11月初めから武田さん宅など数カ所の柿の木に出没した形跡があり、村猟友会が捕獲のためのおりを仕掛けている。「うちの柿が被害に遭ったのは初めて。山に餌がないのかな」と武田さん。仁科さんは「(柿の実を)食べ尽くしたらいなくなるだろうが、もうしばらくは出そう。夜は外出しないようにするしかない」と話している。

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これを読んでみると前回少し触れた古人の知恵、すなわち里山と人里の「臨界」に動物たちのための果樹ラインを設け、何らかの理由で食料が乏しかった時に不幸な事故が起こることを防ぐという対策がいかに有効だったがわかる。それがないと今回のように、ダイレクトに人里までクマが入り込んできてしまう。これはお互いにとって不幸なことだ。しかしこの小谷村の住民たちがクマの生息域にともに暮らす者として、大きな心で受け止めたコメントをしてくれていることに深い安堵と嬉しさを感じた。

[不幸にしてクマに出遭ってしまった場合、どうしたらいいのか]

まず慌ててはいけない。大事な一瞬だからである。彼らが理由なく襲うことはない。臨界内であればそのままの姿勢で静かに後ずさりし、臨界の外に出ることだ。

もしこちらの存在を知らずに近づいてきた場合は、すばやく近くの木に登り、大きく枝をゆすりながら大声で何かしら叫ぶといい。いかにも大勢であるかのように。クマは子連れであろうと藪の中に隠れること請け合いである。また出遭いの瞬間、立ち止まって目が合ったら、状況判断をしながら優しく語りかけるように目でサインを送るといい。そして目を離さずに、リュックやかばんを肩から下ろしながらそっとバックする。

クマは目を大きく開き鋭いまなざしになるが、怒っているのではないからつられてはいけない。頭を下げて上目にならない限り襲ってはこないからである。「優しく見ろ」というのには訳がある。クマの恐怖心を和らげる効果は計り知れない。そればかりか、こちらの心にも冷静さとゆとりが生まれるはずである。クマが肩で大きく息をして、こちらが瞬く隙に藪の中に隠れてくれたらありがたい。

五感という面で考えると、人間の耳は地上150センチ前後の障害物の少ない位置にある。だがクマは50センチ前後、植生の最も多い位置にある。また山野は十文字の風が吹いている場合が多い。音源の聞き分けがいかに困難か想像に難くないだろう。そういった理由で思いがけないクマとのバッティングは起こるのだ。

次回はいわゆる「死んだふり」がクマに有効なのかどうかを考察する。
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by cyril-aw11 | 2008-11-18 23:59 | 自然・環境
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