植物+動物=森

先日アップした森の話ではたくさんの方がご意見を寄せてくださり、違った角度からの見方にハッとさせられたり、自分の考えを再構築したりできてすごく勉強になりました。ありがとうございます。

その際に森を守るためには「森を買う」という一つの方法があり、そのアプローチにも団体と個人があることを紹介した。個人の方はそこで触れたので、今回は団体としてのアプローチの方を少々。

非営利の保護団体として真っ先に思い浮かぶのは、ナショナル・トラスト(National Trust)だろう。Wikipediaによれば、歴史的建築物の保護を目的として英国において設立されたボランティア団体のこと。正式名称は「歴史的名勝と自然的景勝地のためのナショナル・トラスト」(National Trust for Places of Historic Interest or Natural Beauty) というらしい。この組織の活動の成功によって、英語圏を中心とした世界各国にナショナル・トラストの名称を冠した保護団体が設立され、日本でもこうした理念を基にした団体が多く見られるようになった。

その一つにNPO奥山保全トラストがある。そもそもこのNPOは、1997年に野生動物の棲む豊かな森の保全・復元をめざして設立された日本熊森協会から枝分かれしたものだ。その日本熊森協会とは、エサ場を奪われ狩猟と有害獣駆除で滅びていく動物たちを、何とかして助けてあげたいと立ち上がった心優しい兵庫の中学生たちから発展した団体で、私もホンの僅かながら協賛している。広葉樹の森復元、環境教育、政策提言などの活動を展開する中で、ナショナル・トラストによる森林保全の必要性を認識し、「奥山保全トラスト」の設立に至ったわけだ。その設立趣意書には、植物+動物=森という明快な真理が簡潔にまとまっている。

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「かつて日本の奥地には、多種多様な生物にあふれる鬱蒼とした森が広がっており、この森から湧き出る滋養豊かな水は、あらゆる生き物の生命を育み、農業、林業、漁業、工業、全ての産業を支えてきた。しかし祖先たちが「奥山」として大切に守ってきたその森は、戦後数十年間で開発やスギ・ヒノキの拡大造林のために多くが破壊され、様々な野生動植物が絶滅の危機に瀕し、また生物の多様性を失った「奥山」は林業不況による放置人工林の増加や、地球温暖化の影響も重なり、荒廃の一途をたどっている。

地球上に誕生した文明はすべて鬱蒼とした森の中で生まれ、森と共に栄え、そして、文明の基盤である森を失って滅びていった。今わずかに残る奥地の自然林を保全し、広範囲にわたり荒廃した森の再生に早急に取り組まなければ、近い将来日本はかつて滅びた文明と同じ道をたどることになると危惧される」。

上の図表には、本当にシンプルにそれが示されていると思う。
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by cyril-aw11 | 2007-11-28 13:37 | 自然・環境
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