reasonable~朱鷺と暮らす郷

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以前にも
少し触れたことがありますが、私は故郷を象徴する県鳥であるトキに並々ならぬ思い入れがあります。そんなこともあって、うちでは「朱鷺と暮らす郷」という佐渡産コシヒカリを食べています。佐渡では再びトキが大空を羽ばたき自然の中で生きていける環境をつくるため、「生きものを育む農法」に市をあげて取り組んでいます。それは農薬や化学肥料を削減するだけでなく、パッケージのやさしい絵にあるようにドジョウやカエル、ヤゴにタニシといったすべての生きものが暮らしやすい水田環境を作り出す農法です。たくさんの生きものが生息できる環境だからこそ、トキも安心して棲めるんです。

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朱鷺と暮らす郷づくり認証米
のマークです。エコファーマーの認定を受けた生産者が作っている証です。エコファーマーとは、「土作り技術」「化学肥料低減技術」「化学農薬低減技術」に取り組む計画を新潟県から認定された農業者です。土壌診断に基いて農薬・化学肥料を削減することによって、安全・安心・おいしいお米を作る農家です。そしてこの米の売り上げの一部はトキ保護募金に寄付され、人とトキが一緒に暮らせる豊かな環境づくりに役立てられています。

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注文を受けてから精米してくれます。21年12月14日精米の新米です!

食品偽装問題で「食の安全」が取りざたされたのはそんなに昔のことではありませんが、「少し高くても国産を」という消費者の動向で中国産がスーパーから姿を消したのも今は昔。今やイオンや西友、イトーヨーカドーといった大手スーパーたちがこぞって有名タレントをCMに起用、「他店より1円でも高ければチラシをご持参ください!」とまるで家電量販店のようです。駅への帰り道にいくつかの串揚げ屋さんや居酒屋さんが軒を連ねているのですが、最近はどぎつい色の看板に「一串どれでも99円!」や「オールタイム、生ビール一杯99円!」の文字が並んでいます。これは異常なことです。

日本は今、デフレスパイラルに陥っています。デフレとは持続的に物価が下落することを指し、物価が下がると聞くといいことなのではと錯覚しますが、そうではありません。デフレの問題点を簡単に言えば住宅ローンの負担を増し、リストラによる失業の可能性を増し、それが不況を深刻化するところです。先日の「日経ビジネス」誌が言うように、真性デフレの大波は価格水準自体を1980年代にまで引き戻しつつあります。このままでは一握りの「勝ち組」だけが生き残り、あとは死屍累々たる風景が残るのみで、それに気づかずに低価格を支持している消費者も、いずれはデフレの悪循環に巻き込まれるのです。「ユニクロ栄えて国滅ぶ」とは言い得て妙だと思います。

物の値段には必ず理由があります。「朱鷺と暮らす郷」のお米を見ればわかるように、いい物、人にも環境にも安全な物を作るのには手間もコストもかかり、理由のあるそれなりの値段になります。それが英語で言う「reasonable」です。99円の串揚げや298円のお弁当を口に運ぶ前に、よく考えてみてください。その値段は本当に「reasonable」なのか、それともただの「cheap」なのか。

この思索のヒントをくれた外国人のKさん、ありがとう。
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by cyril-aw11 | 2009-12-16 20:57 | 自然・環境
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