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エノキ (ニレ科、エノキ属)

本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する落葉高木。

よく成長した株は高さ20メートル、直径1メートルにも達する。成長は早い。
谷沿いなどの水分条件の良好な場所に生育するが痩せ地にも良く耐え、
また陽樹でありながら日陰にもよく耐える。

幹の上方に大きな樹冠をつくる。
樹皮は裂けることなく、黒味を帯びた灰色で、点々と皮目がある。
花には雄花と両性花があり、ともに新しい枝につき、開葉とほぼ同時に咲く。
果実は球形、橙褐色で、直径6ミリほど。小鳥が好んで食べる。
エノキ (ニレ科、エノキ属)_f0158627_1144367.jpg

また、国蝶オオムラサキはこのエノキにしか産卵しない。
その若葉を餌とし、成長するにしたがってクヌギやコナラの樹液を吸うようになる。
なぜオオムラサキがエノキにしか産卵しないのかはわかっていない。

八ヶ岳倶楽部を主宰する俳優の柳生博氏は、「その理由は誰にもわからない。学者だって
知らない。多分、永久に誰にもわからないだろう。簡単にわかってたまるか。だからこそ人は
自然を畏れ、自分を畏れるのだ」という趣旨のことを「森と暮らす、森で学ぶ―八ケ岳倶楽部
の中で著している。言い得て妙だ。これこそが人間に一番必要なことではないだろうか。

オオムラサキを殖やすにはエノキはもちろん、クヌギやナラ類が必要になる。
是非、庭を造る際には見栄えのいいケヤキやサクラ、モミジなどばかりでなく、
こうした雑木たちを大きな生態系のお手伝いのために植えて欲しい。
by cyril-aw11 | 2009-08-28 11:13 | 外構
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