アメリカ合衆国の第44代大統領にバラク・オバマが就任した。初の黒人大統領であり、その人となりはちょっとしたオバマ・ブームもあって、もはや知らない人はいないだろう。
私が抱くぼんやりとした感想は、やっぱりなんやかんや言ってもアメリカってスゴイなという当たり前のこと。傲慢で鼻につくし、世界中を引っかき回して疲弊させている面はあるけれど、本当に困った局面にこうして必要な人材がちゃんと出てくるという面では、やはり懐の深い国だなあと感じる。昔の名前で出ています的な、同じメンツがぐるぐる回ってもう少しでバターができそうな日本とは、デモクラシーの成熟度が違うんですなあ…。 正当な第43代大統領の座をアル・ゴアから「掠め取った」との悪評も高いジョージ・W・ブッシュによる「失われた8年間」は、アメリカにとってあまりにも大きく、オバマの行く手は決して平坦なものではないだろう。 だが彼のリベラルな思想の源が、多人種・多文化の融合するハワイという地で育まれたことに目を向けるにつれ、やはり国の未来というものはすべて教育にかかっているのだと痛感させられる。 私が彼の多くの優れた演説の中で一番好きなのは、昨年9月30日ネヴァダ州立大学リノ校でのものだ。これを聴けば、誰もがアメリカの未来をオバマとともに築いていこうと前を向けるものと思う。願わくば、こうした一緒に未来を考えていきたいと思える新たなリーダーが、我が祖国にも現れんことを! <ネヴァダ州立大学リノ校での演説抜粋> アメリカ人としてこの世に誕生したすべての子供に、ワールドワイドな教養を授けてやりたい。我々や親の世代は、自分はこの国で教育を得られないけれど、子供たちには大学で学ばせてやりたい、と馬車馬のように働きました。 自分はビジネスを興すことは不可能だけれども、孫にはビジネスのオーナーになる機会を与えてやりたい。自分の生まれた国では言いたいことも言えないが、アメリカに渡れば、言論の自由や堕胎が認められている、と移民になった人も多い。 子供たちが医者や弁護士になるのは難しいが、孫の代なら、なれるかもしれない。自分が議員になることは無理だが、子供にはそんなチャンスを作ってやりたい。自分はアメリカ合衆国の大統領にはなれないが、子供はなれるかもしれない、と次代に夢を託したのです。自分の国を信じましょう。最も重要なのは、我々の変革能力を信じることです。
by cyril-aw11
| 2009-01-21 13:56
| 日常
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