すまいと MONEY PLAN

さて新年を迎えて家造りも実施設計の段階となり、資金繰りの方も具体的に考える必要が生じてきた。家を建てることがあれば活用しようと古くからずっと頭にあったのは、「すまいと MONEY PLAN」という建築資金出来高支払管理制度である。これは日本ERIの子会社である日本住宅ワランティ(株)が、建築主の資金(自己資金及び融資金)を住宅の完成まで管理し、出来高(工事の進捗状況)に応じて工事代金の支払いを代行するという制度だ。この制度を使えば、日本ワランティ(株)の提携金融機関より建築工事の着工前に住宅ローンが融資実行される。これはスゴイシステムだ。

<特徴1> つなぎ融資不要

本来、住宅ローンとは完成した物件を担保に融資されるものであり、銀行は最初にお金を貸してくれない。しかし実際には住宅完成までに何度か工事代金の支払いがあり、これを一時的な無担保ローンである「つなぎ融資」によってまかなうのが一般的だ。つなぎ融資には団体信用生命保険が付いておらず、代わりに保証料が必要な上に金利も割高、また工務店への支払いが必要な度に窓口へ出向いて手続きをするという煩雑さも付きまとうことになる。

すまいと MONEY PLANを使うことによって面倒なつなぎ融資の手配が不要になり、着工前に金利や期間といった住宅ローンの借り入れ条件のすべてが決定可能となる。勘違いしやすいのだが、一般の住宅ローンでは住宅が完成してからそれを担保に金消契約が結ばれるため、それまで適用金利も決められないという大きなリスクを背負っていることになる。

すまいと MONEY PLANによって実行された住宅ローン(自己資金も含んでよい)は信託口座に預けられ、建築主の建物を建てるためだけに使われる。

信託(trust)とは日本ではなじみが薄いが、ある人Aが自己の財産を信頼できる他人Bに譲渡するとともに、当該財産を運用・管理することで得られる利益をある人Cに与える旨Bと取り決めること、およびそれを基本形として構築された法的枠組みを意味する。Aを委託者(settlor, trustor)、Bを受託者(trustee)、Cを受益者(beneficiary)、そして信託された財産を信託財産と呼ぶ。受託者は名目上信託財産の所有権を有するが、その管理・処分は受益者の利益のために行わなければならないという義務(忠実義務)を負う。

信託法16条により、工務店・日本住宅ワランティ(株)・実行金融機関のいずれに万一のことがあっても資金は完全に保全される。

<特徴2> 支払い代行

本来の工事請負契約では、完成した建物と建築代金を工務店と建築主が同時に交換するべきとされていても、実際には「契約時に1割、着工時・上棟時・完成時にそれぞれ3割ずつ」といった前払い金が必要となることが多く、しかもこれは実際の住宅の出来上がり状況に比べると支払い過ぎの傾向にある。つまり、建築主は工事の進捗状況に合っていない金額を支払っていることになる。

すまいと MONEY PLANでは委託を受けたJIOの調査員が工事進捗状況の確認と検査を行い、それを建築主に報告した上で信託口座から工務店に代金が支払われる。実際に工事が終了した分の代金を払っていくため、過払いが生じることはない。検査機関によるチェックが入ることも安心だ。

<特徴3> 完成保証

これも勘違いしやすいポイントなのだが、通常では建築中の建物は工務店のものであって建築主のものではない。もし工務店が倒産すれば、工事中の建物は債権者や施工者・納材者に差し押さえられ、工事はストップしたまま。その上、すでに支払った代金が返済される可能性はほぼゼロとなる。自分の家なのに、他人のもの。これが一般的な建築請負契約に潜む危険性である。

すまいと MONEY PLANでは最初から建物の所有権が建築主にあり、完成に必要な建築資金は信託口座で保全されている。途中で止まった工事は別の工務店を手配して続行され、完成保証団体が工事の完成を約束している。建築代金のすべてを現金で決済できる余裕のある建築主でも、あえてローンを組んでこのシステムにより所有権の確保と完成保証を手に入れることも、こういうご時世だけに大きな意味を持つだろう。

もちろん、すまいと MONEY PLANというシステムのメリットを享受するには、建築主にも工務店にも相応の負担が求められることになる。

建築主には信託口座設定料63,000円と、建築請負工事代金の1%相当の支払い手数料。これだけだ。はっきり言って安い。3000万円の家でわずか30万円である。つなぎ融資の金利や保証料などを考えれば、この金額で完全なリスク・ヘッジができれば儲けものだと思う。

工務店側には現場保険の付保、地盤調査の実施、瑕疵保証制度の付保、完成保証制度への登録、JIOによる建築中の工事進捗検査確認(4回)などが課せられる。しかしこれも真っ当な工務店であれば当然クリアしているか、少々プラスする必要があるくらいのハードルである。逆にこの条件に難色を示すような工務店であれば、最初から依頼するべきではないだろう。そういった意味では、工務店の健全性を把握する格好のリトマス試験紙となるかもしれない。

少々長くなってしまったが、こういうご時世だからこそ検討に値するシステムではないだろうか。
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by cyril-aw11 | 2009-01-10 21:00 | 家造り全般
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